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■神戸ハーバーランド■


1992年に開業した、JR神戸駅の南東側に広がるベイサイドの大規模再開発地域。

ショッピング、グルメ、シネマ&アミューズメントなど、多くの商業施設が揃っている。



■絶好のロケーション、しかし商業的には…?■


ハーバーランドは、神戸港を一望できる「まさにこれぞ神戸!」といった絶好のロケーションを有する地域でもあります。

私も開業当時は、よく行っていました。

なにしろ、絶好のデートスポットですから(*^_^*)

しかし、開業当初こそ人出は溢れていましたが、商業的には決して成功している地域とは言えないようです。

特にショッピングに関しては、かなり苦戦しているようです。

2核百貨店のひとつだった西部百貨店は、開業わずか2年で撤退してしまいましたし、もう一つの阪急百貨店も、開業以来赤字続きです。

西部撤退後、鳴り物入りでスタートした「神戸ハーバーサーカス」も、経営難が続き、とうとうこの3月末で撤退してしまいました。

震災で被災した店主の支援を掲げた「一坪ショップ」や、店内に機関車走らせるなど、私自身は、そのユニークな営業方針に共感を抱いていただけに、今回の閉鎖は少なからずショックを受けました。

やはりユニークなだけでは、消費行動は喚起できないようです。

トイザラスと100円ショップのダイソーだけが、暗くひっそりとしたビル内で営業を続けており、それが更に物悲しさを感じさせました。



■ターゲットは、カップル、そしてファミリー層■


ハーバーランド全体としては、当日は平日だったこともあり、若いカップルの姿が一番目立ち、次に小さな子供を連れた母親のグループが目に付きました。

みな、ゆっくりとした動作で、ベンチに腰掛けていたり、カフェでくつろいでいたり、生放送のラジオ放送の番組を見入っていたり‥。

あまり買い物をしている様子はありませんでした。



■神戸阪急にて■


神戸阪急に入ってみましたが、やはり人影はまばらでした。

手持ち無沙汰そうな店員の姿ばかりが目立ちました。

2階のファッションフロアに行ってみると、唯一、賑わっているショップがありました。

ラルフローレンです。ラルフローレンは、遠くからでもその濃い目のウッドの内装がよく目立ちます。

特に最近は、白っぽい内装のショップが多いので、よけいに目立つようです。

私も遠くからすぐ見つけることが出来ました。

また商品はトレンドとは関係のないベーシックなアイテムですが、その反面、カラーはかなりビビッドなオレンジやレッドなどを打ち出していました。

これまた他店には無い色合いです。

アロハ柄のドレスをファサードに飾っていましたが、ウッディな内装とよくマッチして、ラルフローレン・ワールドを醸し出していました。

年齢層も、小さな子供を連れたヤングママから、ミセスまで幅広い客層が店内にいました。

ベーシックな商品だけに、ターゲットは広いですね。

根強いファンがいるブランドには、学ぶべき点が多いです。



■トイレにて■


さて、神戸阪急で関心したことが一つありました。

トイレに行ったときのことです。

ベビーカーを押した女性が手洗い場のところに立っていたので、すっかりその赤ちゃんの母親だと思っていたら、その女性はトイレで用を済ませる母親に付き添いで来ていた、店内スタッフだったのです。

後から小さな子供を連れた母親が、トイレから出てきて、「すみませ〜ん」とその女性のところに駆け寄っていました。

スタッフらしきその女性は、「いえ、いいんですよ〜」と、にこやかな笑顔で答えていました。

私はそのとき、

「子供連れのお母さんのために、そういうサービスを始めたんだ。 阪急さんも、やるなぁ」と思ったのですが、後で調べてもそういうサービスは書かれていませんでした。

きっと機転をきかして、売り場スタッフが行なったことなんでしょうね。

確かに、小さい子供連れ、ましてや2人ともなると、お母さんはトイレ一つにしたって大変です。

私もいつも、自分がトイレをする間、ベビーカーをどうしようかと悩んでいました。

最近は、ベビーカーと一緒に入れる大きなトイレも増えましたが、まだまだどこにでもあるとは限りません。

こういうことを、ちょっと頼めるスタッフがいれば、もっともっとベビーカーを押したママは、1人でも百貨店やショップに行きやすくなるのではないか?

神戸阪急のトイレで、気づかされた出来事でした。



■コムサストアにて■


  

ここは関西で2番目に大きい(1番は大阪のヨドバシカメラ店です)、コムサストアのメガストアです。

1階〜4階まで、とても広い店内に、ゆったりと商品が配置してあります。

コムサに来て、いつも関心させられるのが、その1本筋の通った独自性です。

カラーにしろ、ビジュアルにしろ、独特の世界観をもっています。

最近、顔のないマネキンをやめて、顔のあるオリジナルマネキンを導入していますね。

あれも、とても目を惹きます。個人的には好きです、このマネキン。

私は、小さな子供を持つようになってから、コムサのファンになりました。

ショップの大きさに似合わず、小さな心配りが感じられるからです。

例えば、今では子供服売り場には、どこにでも置いてある子供用のテーブルとイス。

 

しかし、オリジナルのお絵かき帳とクレヨン、キャンディーを置いてあるのは、私が知る限りコムサだけです。

うちの娘なんかは、いつもお絵かきに夢中で、何時間もその場を離れようとしません(^_^;)

その間、私は、いろいろ服を見て廻って、結局いろいろ買ってしまうことになるのですが‥。

同じテーブルと椅子を置くという行為でも、置く場所やそこに置くものによって、全く機能していないケースもありますね。

そういう店舗もたまに見かけます。もったいない!

形だけ真似してもダメということですね。

本当に楽しませる気があるのか、ないのか、お客には伝わってしまうことです。

コムサの子供コーナーには「楽しんでいってね。」という雰囲気を感じます。

店員さんもとても感じの良い方ばかりです。

いろいろコムサには気づかされることが多いのですが、書ききれないので省略します。

これだけ広い店内、多くの店員、そしてこの価格…。

収益性には問題があるかも知れませんが、消費者の立場としては、やっぱりコムサは存在していてほしいブランドです。



■モザイクにて■


今回ハーバーランド内で、一番賑わっていた商業施設が「モザイク」です。

モザイクは、ハーバーランドの一番港側、ポートタワーを対岸に眺められる絶好のロケーションに位置しており、ハーバーランドに出向いた人なら、必ずといっていいほど足を運ぶところです。

造りも低層の3階建てで、とても開放感があります。

2階部分がショッピングモールになっているのですが、屋根はなく、まるで、どこか外国の小道で買い物を楽しんでいるような錯覚を覚えます。

小さなショップそれぞれが、ショップの顔を持っていて、見ていてとても楽しくなってきます。

高層ビルでは味わえない、楽しさですね。

場所柄、雑貨系のショップに人気が集中していました。

あとはキャラクターグッズを販売しているショップや、神戸オリジナルのおみやげものを販売しているショップなどに人がたくさん入っていました。

観光客も多いですからね。

セレクトショップは‥、やはりここでも少々苦戦している様子でした。

やはり、このような場所では、服を買う、というより、なごみ系の雑貨ものが欲しくなるようです。

ブラブラと散策しながら、おもしろいものを見つけることに楽しみを見いだしているようでした。



■最後に■


今回ハーバーランドを視察し改めて感じたことは、ここはウォーターフロントであり、そのような場所では、みな開放的な空気を求めている、というごく当たり前の事実でした。

海を見たい、潮風を感じたい、ポートタワーを見たい、船を見たい、都心では味わえない空気の中、ゆっくり買い物を楽しみたい‥。

それを思うと、消費者にとって、今のハーバーランドの造りは、決して満足出来るものではありません。

モザイク以外、ショップは全てビルの中か地下街。

そのような買い物環境は、特にここに来なくても手に入ります。


ふと、数年前に訪れた、サンフランシスコのフィッシャーマンズワーフを思い出しました。

フィッシャーマンズワーフは、古い港町を再開発した有名な観光名所で、「ピア」と呼ばれるショッピングモールがいくつか点在しています。

特に有名なピア39に行ってみたのですが、驚きと興奮の連続でした。

まずどこを歩いても、サンフランシスコの心地よい潮風を、感じることができました。

モールは全て木造2階建てで、歩くとコツコツと音がし、迷路のように曲がりくねっています。

ショップはどこも個性的で、一日中見ていてもあきません。

なによりそこには最高の照明光、太陽の光が燦々と降り注いでいたのです。

「地の利を生かす」とは、このことでしょう。

他のどこにも味わえない空気があって、ぜひまた訪れてみたいと思いました。

開発は終わってしまったとはいえ、バブル期ではなく今の時代なら、また違ったハーバーランドを目にすることができただろうなあ、

今回、久しぶりにハーバーランドまで足を伸ばし、そのようなことを感じました。


2004.6.2(火)


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